REPORT
【三重県(熊野・尾鷲)】アカハタ EARLY for Rock 93MH/Bait
EARLY for Rock 86MHのレポートでお馴染みのとっしー南西 様よりEARLY for Rock 93MH/Baitモデルを使用しての釣果レポートをいただきましたので、皆様にご紹介いたします!!
アーリー86MHに続き、この度、新たにアーリー93MH/Bを購入。
このアーリー93MHについては、明確な目的(大阪湾での特定の利用シーン)があり購入したものだが、この点については目的達成することができた後に改めてレポートしたい。
さて、今回は三重県(熊野・尾鷲)地磯でのロックフィッシュ釣行に試験導入。
ご承知の通り、ベイトタックルはスピニングタックルと比較して、巻き上げ力が強いのはもちろん、太ラインでも飛距離をだせる、ロングリーダーを組めるなど様々な利点がある。
ことソルトのロックフィッシュゲームにおいては、太ラインでパワーゲームできることから、特にシャロー域(10m前後)でのボトムゲームに向いているとの認識だ。
一方で熊野・尾鷲で私がエントリーする地磯は、水深30m弱で足元から深いところが多く、また足場が高いことも多い。すなわち、流れの影響や風の影響が強いところが多いことから、細ラインが使いやすい。
よって総合的にみてスピニングタックル有利となる場面が多い。
そういう訳で正直なところ、熊野・尾鷲釣行でのロックフィッシュゲームではアーリー93MHにあまり期待していなかったのだが「まぁ、せっかく購入したので三重でも使ってみるか」との軽い気持ちで今回のメインタックルとして使用することとした。
(実釣当日)
私は釣果よりも快適性(混雑回避)重視のため、普段は人と重なるポイントには、特に朝マズメのタイミングでは入らないのだが、今朝は海況(凪)・風(微風)・潮位(低潮位)の全て条件が揃ったため、年に1、2度かしか入ることができない岬先端ポイントを選択。
ここは、近くに駐車スペースなし・磯歩き1時間弱・根掛かり多数、そして何より前述の気象3要素をクリアしないと釣りにならない。
よって、それなりにハードルがあるため、人気ポイントにはなりえないが、週末であればたまに人が入るポイントではある。
今回は連休初日ということもあり、少し気合をいれて、夜明け30分前にはポイントに入った。
結果は想像以上。
ストリンガーに掛けて一時的にキープした30cm強〜40cm前後のアカハタだけで10尾近い。リリースを含めると20尾近いアカハタをキャッチしただろう。
今回の釣果、特に良型の過半は岬先端の足元周りであった。
(足元といっても、足元からスパッと深い訳ではなく、駆け上がり形状かつ海藻繁茂)
何より嬉しかったのは、過去に同ポイントの足元周辺の同じ根で、アーリー86MHではヒットしても獲れなかった40cm前後のアカハタをキャッチできたこと。
アーリー86MHでヒットした際は、引きの強さにスピニングリールを巻き上げることができず、一方的にロッドをのされて、なすすべなくラインブレイクした苦い過去がある。
その時の雪辱を、このアーリー93MHで果たしたのである。
今回は比較のために他社の7.9ftの短尺ベイトロッドも持ち込んで、同じ場所で使用してみたが、やはり7.9ftだとロッドを立ててもどうしてもライン角度が寝てしまい、一番おいしい足元周辺をさぐると根掛かりしてしまう。また足元でアタリがあっても短尺かつティップに張りがあるため、送り込んで反転させるだけの余地に乏しく、アタリをはじいてしまう。
一方で過去の経験では、8.6ft(アーリー86MH)であれば、長さはなんとなかるのだが、前述の通り足元のボトムで良型ハタがヒットすると、自分の筋力ではパワー負けしてスピニングリールが満足に巻きあげられない。結果としてロッドがのされてしまい、ラインブレイク。
これが長尺のベイトロッドだと、どうだろう。
このアーリー93mhであれば、ベイトリールのパワーで巻き上げられる上に、長尺のため足元の根をかわすことができ、不安なく良型アカハタを引きずり出すことができたのである。
ロングキャストで竿抜けポイントが狙えるだけではなく、意外にも足元周辺を狙うのにも、とても適している。これは驚きであった。
同社公式youtubeでのアーリー93MH紹介動画で、足元の根魚攻略に93MHを利用しているのを拝見したが、これは沖の魚を抜いた後に、やむなく足元付近の魚を狙っているものと認識していたが、実は足元付近の攻略にも長けたロッドであったのだ。
もし、いつも通りアーリー86MHで狙っていたならば、おそらく釣果は今回の半分程度だったと思う。
前述の通り足元周辺ポイントで良型をかけてもキャッチ率が低いので、足元を狙うなら魚を浮かせてヒットさせるか、もしくはもう少し沖で魚をヒットさせることを考えたであろう。
いずれにせよ、この岬先端の足元付近の一番おいしい駆け上がりポイントを、ねっとりと丹念に攻めることができなかったはずである。
となれば釣果は半分以下、おそらく型も落ちたであろう。
(同じポイントでアーリー86MHを使用した時の過去釣果⇒こちらから)
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(閑話休題)
同社スタッフ執筆のWEB記事にアーリー93MH/Bについて、
「キャスト時はバットからティップまでの曲がりの移行がスムーズであるため、多彩なルアーを使用してもバックラッシュを起こしにくく、リールの性能をサポート。誰でも楽に安定した飛距離を出しやすくなっており」
との記述を目にしたが、それに関し、今回の釣行で、とても印象的なシーンがあった。
根周りを攻める際に、スナップにワームフックとシンカーをそれぞれ通して簡易なジカリグを使用していたのだが、キャストすると何か様子がおかしい。
なんと、シンカーをつけ忘れて、ノーシンカーで4インチのシャッドテールをキャストしていたのである。
それでもロッドがそれなりにしなって、バックラッシュすることなくキャストできたことを鮮明に記憶している。
ルアー負荷表記は10g~50gとなっているが、ベイトリールのスプール径次第では、更に軽量なルアーも扱える余地を感じた。
・・・
さて、本ロッドを使用して、まだ日が浅いため、総合評価できる段にないが、今回、特に感じたのは、長尺・軽量のベイトロッドであるがゆえのメリット。
特に今回の釣行では、岬先端の足元先の駆け上がり(海藻繁茂)で40cm弱のアカハタ良型が連発した訳だが、私のような非力なアングラーであっても、良型をかけて全数キャッチすることができた。これはベイトリールの巻き上げ力によるところも大きいが、加えてアーリー93MHの
①長尺ロッドがゆえに根を交わしながら最もおいしい足元周辺を、丁寧に探ることができた。ヒット後も根をかわすことができた。
②ロッドが軽量ゆえに、ロッドを常に縦構えの臨戦態勢で維持することができた
③良型がヒットしても、ティップが入る(しなやかだ)からこそ、支点を手元に寄せてパワーファイトすることができた。
この3つが大きい。
なお、この③についてはアーリー86MHにおいても同様のことがいえる。
(過去レポート内「曲げて獲るロッドはロックフィッシュゲームに向くのか?」⇒こちらから)
曲がりこむからこそ可能なパワーファイトが存在するのである。
“しなやかだからこそ発揮できる強さ”とも言えるだろう。
今回は試験導入ということもあり、本ロッドについての広範なレビューを避け、あくまで今回の実釣シーン(足元周辺の駆け上がりでの釣り)に絞ってレビューした。
本ロッドについては冒頭の通り、明確な導入目的があり、総合的な評価はその達成を待ちたいが、今回の熊野・尾鷲での予想外の活躍により、ベイトタックルの愉しみや利点をまた一つ学ぶことができた。アーリー93MH/Bの今後の活躍にご期待いただきたい。
【ANGLER】
とっしー南西(@FISHING_TOSHI)
【TACKLE DATE】
ROD:EARLY93MH/B(ERY-93MH/B)
REEL:ジリオン TW HD
LINE:アップグレードX4 1.5号(YGK)
LEADER:フロロ25lb
LURE:
・テールマッカートニー L (インクスレーベル)
・スワールテールシャッド 4.8インチ (インクスレーベル)
・ジュラクロー 3インチ (インクスレーベル)
・ナッゾジグ 25g (インクスレーベル)
とっしー南西様、いつも弊社製品をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます!!
EARLY86MHでもそうでしたが、今回ご使用いただいているEARLY93MH/Bでもロッド特性をフルに発揮していただき、多数の良型アカハタの釣果は流石でございます。
なによりも毎回ロッドの詳しいインプレをレポートいただき、他のヤマガブランクスユーザーの皆様にも大変参考になるレポートだと思います。
今後もとっしー南西様の相棒としてEARLY93MH/Bが活躍することを期待しております。今後ともよろしくお願いいたします。
使用ロッドの詳しいスペック等は⇒製品ページより