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【三重県】ロックフィッシュゲーム EARLY for Rock 93MH/Bait

とっしー南西 様よりEARLY for Rock 93MH/Baitを使用しての釣果レポートをいただきましたので、皆様にご紹介いたします!!


2023年秋、アーリー86MHに続き、新たに導入したアーリー93MH/B。

このアーリー93MHについては、明確な目的(大阪湾での特定の利用シーン)があり導入したものだが、その目的を果たせぬまま、いよいよ大阪湾の水温が低下。目的達成は2024年以降となりそうだが、達成後には改めてロッドの総合評価とあわせてレポートしたい。

2023年11月。

予定では南西諸島(与那国島、石垣島、宮古島、沖縄本島、奄美大島)で両ロッドを活躍させる段取りであったが、ちょうどシケが重なって不発。そこで今回も三重県(熊野・尾鷲)地磯でのロックフィッシュ釣行にアーリー93MHを携行した。

さて、私は地磯メインのため、熱中症への安全対策から真夏の地磯釣行を避けるようにしている。とはいえ春・秋といっても各ポイントまでのアプローチは険しく、相当体力を消耗する。
よってポイント開拓は気温が低下する晩秋~冬におこなっており、今回が今年最初のポイント開拓釣行となる。ポイント開拓とはいえ、まだ水温が20℃程度ある11月末であるから、なんとか魚の顔は見たい。

今回は2日間の釣行。初日は天候の関係で既知ポイント(内湾にある岬)へ。

まずは朝マズメにメタルジグを結んだ。ベイトロッドであるこのアーリー93MHでの本格的なショアジギングは初となる。

リールポジション(重心位置)やグリップによる握り方の違いから、一般的にベイトよりもスピニングの方がショアジギングに向いているとの認識だが、このアーリー93MHはベイトロッドでありながら思いのほかショアジギングでも使いやすい。

まずロッドが149gと軽量であるのと、ティップからベリーがしなやかなので軽い力でジャークできるし、その反発で生まれるラインスラックによって自然とジグの動きに緩急がつき、ヒラをうたせることができる。スピニングロッドであるアーリー86MHはベリーの反発が大変小気味よく、ショアジギングやワインドとの相性も抜群で、もはや使っているだけで楽しくなってしまうロッドであるが、このアーリー93MHもまたそれに近いものを感じた。

30gのメタルジグをフルキャストしていると中層付近でヒット。40cm前後のカンパチ(シオ)であった。

その後、岬の足元周りを中心に良型アカハタを複数キャッチ。


※「アーリー93MHが足元周りの攻略にも向いている」旨は前回レポート参照⇒こちらから

これにて初日終了。


2日目。

今朝から急激に気温が低下し、最低気温5℃で最高気温が10℃強。初場所へのエントリーということもあり、今朝は日があがって見通しがよくなってから活動開始。ポイント開拓には斜面の昇降など相当、体力を消耗するため、朝食をたっぷりとって出発した。

普段からそうであるが、特に今回はポイント開拓であるため、地磯への携行は当然1タックルだ。自分にとってポイント開拓はある種、趣味でもあるので、あえて人から情報収集をおこなうことはしない。
よって、そもそも目的の立ち位置まで到達できるかわからない上、仮に到達できたとしても前情報がないため、実釣を通じてポイントの地形やターゲット(回遊魚~根魚)、地合いの調査をおこなうこととなる。そうなると携行する1タックルに求めるのは、ジグヘッドなどのソフトルアーだけでなくトップ、ミノー、バイブ、メタルジグなどあらゆるルアーに対する対応力であり、トラブルレス性能、つまりベイトタックルでいえばバックラッシュ回避性能である。

このアーリー93MHであれば、ワームによるボトムの釣りから、ミノー等の巻き物、前述の通りショアジギングまで、幅広かつかなり高次元に対応することができる。どのような釣り方に一番向いているのか?と聞かれると悩むほどだ。

ちなみにトップ(ダイビングペンシルやポッパー)の釣りにも非常に使いやすいが詳細は、またの機会に。

過去にスピニングロッドであるアーリー86MHのレポートにて”ロックフィッシュロッドを謳うこと、ロックフィッシュロッドに区分することで、ユーザー(購買層)の間口を狭めているのではないか?”との前向きな問題提起を投稿したが、このアーリー93MHもまたしかり。

ロックフィッシュロッドという狭い枠に留めておくには勿体ない、これが率直な感想だ。(でも、そういう不器用というか、愚直なところも嫌いではないのである。皆さまもそうではなかろうか。)

さて、初場所となる今回のポイントは外洋に面した磯で左右にワンドが隣接。正面フルキャストで水深30~40mを狙うことになり潮の影響を受けやすいのと、巻きの釣りでも使用するため、水切れ重視で、地磯でのベイトタックルにしては細めのPE1.5号を選択。

ベイトタックルでのトラブルといえばバックラッシュであるが、このアーリー93MHはヤマガブランクスらしく、キャスト時もファイト時も、むっちりねっとりとした官能的な曲がりをみせるため、キャスト時にバックラッシュしにくい印象だ。

テイクバック時にむっちりとしならせたロッドが、前方への体重移動とともに反発力を伴って自然に前方へ送り出されるため、ルアーの急峻な飛び出しがない。よって無理なく段階的にルアーに速度がのっていく印象で、スプールが過度に回転してバックラッシュすることなく、スムーズにラインを引き出していってくれる。

以前はバックラッシュによる再起不能対策のため予備リールを現場持参していたが、前回レポートにも記載の通り、誤ってノーシンカーでキャストした際も深刻なライントラブルが発生しなかったため、今回は予備リールもなしである。

(ちなみにアーリー93mhで、現場で回復不可ほどのひどいバックラッシュや高切れをしたことはないが、最もひどかったのは見えイカを発見して、ブレーキ調整なしでエギ2.5号を向かい風でフルキャストした時。この時だけは現場での復活が危ぶまれるほどのバックラッシュだったが、常に右ポケットにしのばせているラインブレーカーの内側に、来るべきライントラブルに備えて養生テープで固定していた爪楊枝を使ってPEラインをやさしくほぐすことでなんとか復帰。)

1タックルであれば、スピニングタックルならアーリー86mh(PE1号)、ベイトタックルならアーリー93mh(PE1.5号~2.0号)が今の自分の定番となった。

今朝の初場所は、フルキャストで水深30m強を狙える外洋面にありながら、潮位が高いと足元を波があらう地磯。よって下げで入るのは当然として、干潮タイミングで納竿しないといけないため、まずは地形を把握すべくテンポよくキャストしていく。5インチ弱のシャッドテールワームにジグヘッド21gで探っていく。

本命となる良型サイズのヒットがないまま時が過ぎていく。干潮まであとわずか、徐々に潮がゆるんできた。

左右50m強ある外洋面を一通り探った中で、特に気になったポイント。それは立ち位置の一段下にある斜面上の磯面が、滑り台のように海中につらなっている場所である

波によってこの滑り台状の斜面に海水がはいあがり、引き波とともに、”滑り台”をつたって海水が海に戻ってゆく。海は穏やかであるが、この”滑り台”からの海水の落水点だけは常にサラシができていた。周囲よりも酸素や有機物の供給が多いことが予想される。残されたわずかな時間で、ここを重点的に狙うこととした。

ここは前述の通りフルキャストで30m強、足元でも10m程度。

かなり強烈な駆け上がりが形成されている。この”滑り台”にはいあがった海水が落水する、このピンスポットの駆け上がり周辺に絞って、先のジグヘッド21gをフルキャストではなく”ちょい投げ”。チャンスはボトムまでのフォールと、巻き上げ時のスイミング。急峻な駆け上がりだからボトムをとるのは最初の一度だけ。

するとフォール中に、明確なバイト。

これはフォール中の違和感のような繊細なアタリではなく、かなり明確にもっていかれた。

明らかに根に向かって走っている、良型の根魚。前述の通り急峻な駆け上がり。最初からリーダーが根に擦れている。

ベイトタックルでありながら、時にポンピングを交えて力いっぱいハンドルを巻くが、相当な引き。がっちりと締めこんだはずの公称7kgのフルドラグから時折ズルズルッとラインが滑り出す。スジアラ(ハージン、アカジン)を疑うほどの強烈な引き。

途中、ほどなくして根にもぐられてしまう。しかし慌てない。

経験上、大型ほど根からでてくる可能性が高い。大型根魚がしっかりと身を隠せるほどの大きく快適な根(隙間)はそれほど多くないからだ。(小型ほど小さな根でも奥にしっかりと潜ってしまい、そこから動かない)
今回も1分またずして動き出した。そこからはとにかく力ずくでベイトリールを巻きあげた。

水面にあがったのはスジアラではなくオオモンハタ。サイズはどうだろう、50cmあるなしだろうか。久しぶりにこのクラスのオオモンハタを掛けたが、ロケーションによってはこんなに引くのか、、

前回、スピニングタックルであるアーリー86mhで50cm強のオオモンハタをキャッチした際(レポート)は、谷間をつきあげるシケ波のアシストもあって、労なくスピニングタックル(アーリー86MH+PE1号)でキャッチすることができた。

しかし今回は前述の通り足元の急峻な駆け上がり、具体的には水深30m強から10mの駆け上がりのボトムにおいてヒットしたため、地形を味方につけるビッグロックに真っ向勝負を挑んだ格好だ。

結果としてアーリー93MH+PE1.5号タックルでキャッチできた訳であるが、もうここではアーリー93MHのバットパワーがどうのとか、長尺がゆえの利点とか、後付けでもっともらしい侯爵をたれることはやめる。結果(釣果写真)をもって読者諸兄姉に評価を委ねるとしたい。

1点だけ申し述べたいのは、しなやかなロッド、曲がるロッドだからといってロックフィッシュに向かない訳ではなく、むしろ曲げこんで支点を手元に寄せることでパワーファイトが可能でもあるという点だ。(手元に支点が寄るためライン角度が寝てしまうが、ここはアーリー93MHの長尺でカバー可能)

これは過去レポートでも同様の報告をしている。

実際、過去に他社の先調子(ファーストテーパー)で高弾性のロックフィッシュロッドを使っていたのでわかるのだが、曲がらないロッドで高負荷(大型魚)が掛かると、テコの原理でとにかく人間側がきつい。

今回のヒットポイントで50オーバーのハタ類がヒットすれば、少なくとも私の腕力では、先調子・高弾性のロッドだと、竿を立てることができずに”ノサれて”しまい、キャッチすることができなかったであろうことは想像に難くない。
先調子の高弾性ロッドを使って同じようなケースで何度も涙をのんでいるため、肌感覚としてわかるのだ。

「しなやかなロックフィッシュロッド」というと、性格上の矛盾を感じるかもしれない。以前の私もそうだったが、実際に手に取ってみると、その予想は良い意味で裏切られた。”しなやかに曲がるハードロックフィッシュロッド”というのは実は妙案なのである。


気付けば師走。

最低気温は5℃以下、大阪湾の海水温も16℃を切ってしまった。2024年こそ、ここ大阪湾にて、アーリー93MH導入の当初目的を達成できるよう楽しみたい。

今年もアーリー86MH、そしてこの度、新たに仲間に加わったこのアーリー93MHで、とても良い釣りをすることができたし、何より釣りを楽しむことができた。皆さま同様、私にとっても釣りは人生の大切な一部分である訳だから、両ロッドによって今年も我が世を楽しませていただいたということだ。深謝。

読者諸兄姉、そして同社スタッフ皆々さま、良い年をお迎えください。

【過去レポート】
①アーリー93MH(三重県(熊野・尾鷲)地磯でのロックフィッシュ釣行)
②アーリー86MH(ロックフィッシュゲーム)
ほか

【ANGLER】
とっしー南西(@FISHING_TOSHI)

【TACKLE DATE】
ROD:EARLY93MH/B(ERY-93MH/B)
REEL:ジリオン TW HD XG
LINE:アップグレードX4 1.5号(YGK)
LEADER:フロロ25lb
LURE:
・スワールテールシャッド 4.8インチ (インクスレーベル)
・テールマッカートニー L (インクスレーベル)
・ジュラクロー 3インチ (inxlabel)
・ナッゾジグ 25g (INX.label)
・闘魂ジグ 30g(DAMIKI)

使用ロッドの詳しいスペックは➞こちらから


とっしー南西様、今回も使用ロッドの詳しいインプレッションと臨場感溢れるレポートを誠にありがとうございます。

今年は、EARLY86MH二本に加えてEARLY93MH/Bも導入していただき、釣行を楽しまれたとのことで、私共としましても大変嬉しい限りです。今回のレポートでは前回釣行時に比べてEARLY93MH/Bがとっしー南西様にも馴染んできた姿をお見受けでき、また次のレポートもいまから楽しみにしております!!

今年も素晴らしいレポートをありがとうございました。また2024年もEARLYシリーズと共にたくさんの思い出を積み重ねていただければ幸いです。