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シーズン特集 「春マダイへ行こう!! タイラバ&タイジギングロッド解説」

進化するマダイゲーム

4月に入り、各地のマダイゲームも絶好調ですね!! 九州でも玄界灘では80アップが連日出ているようで…羨ましい!! 釣況的には各地でズレはあると思いますが、春の乗っ込みマダイはしばらくは続くでしょう。

ヤマガブランクスにおいてはシーウォークにタイラバモデル・タイジギングモデル・ライトジギングモデルとコンセプトは違うもののオフショアマダイ用のロッドが複数ありますが、今の進化し続けているオフショア・マダイゲームにおいては選ぶのも一苦労だと思います。

そこで、今回は現在のマダイゲームを解説しつつ、ヤマガブランクスのマダイゲームロッドの解説をしてみようと思います!!

マダイのルアーゲーム再考察
現状のマダイゲームシーンにおけるスタイルは「タイラバ(タイカブラ)」「タイジギング」の2つになります。他にもインチクやワームテンヤなどもありますが、マダイを専門に狙うメソッドという点でタイラバとジギングの2つに絞ってみます。

まずタイラバについてですが、説明するまでもなくマダイといえばタイラバと言えるほど確立されたメソッドで、簡単で奥が深いメソッドです。元は潮の激しい海域でラインに小さな鉛を等間隔で置いたビシ糸(ビシマ)を使う「たぐり釣り」に起因するとか聞いたことがありますが、確かに鉛をかましたラインで潮の影響を受けなくしてカブラやテンヤ仕掛けに追ってきたマダイを食わす「たぐり釣り」は正にタイラバです。違いはビシ糸が重くすることで潮の影響を受けなくすることに対し、ルアーでの鯛ラバはラインを極限まで細くして潮の影響を受けなくするという点で、理屈は同じでもアプローチは逆な訳です。

まあ、そのへんの発祥については意見も様々でしょうし、断言はできないのですが、マダイは追い食いする習性があり、それを利用した漁や釣法は数多く存在します。なので、巻きで食わすことが重要なのですが、ラインを細くして潮の影響を受けなくする場合は落ちていくものもマダイは追うわけです。つまり、考え方としては「巻き」と「落とし」はアピールは同義であるとも言えます。

とは言え、落とす場合は釣り人が落ちるスピードを操作することは難しいです。何故なら、着底してラインを巻き始めるまでのレスポンスを考えるとあまりに軽いウェイトでも駄目ですし、重くしすぎて引き抵抗を強くしすぎても感度が悪くなるわけです。「今日はやたらフォーリングで当たるな」という日は、たまたまエリアの水深や潮流とタイラバのウェイトがバッチリ合っているせいでフォーリングスピードが食わせを誘発しやすいものになっているせいかもしれません。
それを意識的に演出するのは難しく、そのためにタイラバにおいてはフォーリングよりもリーリング時のバイトの方が多く感じると推測できるのです。

対して、タイジギングにおいてはリーリングとフォーリング時のアタリは半々くらいと言われることが多いのは、マダイ用のジグがフォーリング時のアクションに重きを置いており、ヒラヒラと落ちるために食わせやすいスピードが自動的に演出されているわけです。

そして、非常に重要なのは、基本的にマダイはボトムから10mほど浮いている状態で回遊していることが多く、前の前にジグやタイラバが落ちてくれば追尾していき、逆に浮いてくれば一緒に浮いてきて食ってきます。この泳層は重要で、船からの完全フカセ釣り(チョロ釣り)、浮き流し釣りなどが強いのは、このマダイの習性にマッチしているからです。

更に傾向を分析すると、フォーリングで食う場合は瞬間的にリアクションで食う場合もありますが、多くはボトム着底の直前にスパッと食うことが多いようです。これはトップゲームと同じ理屈で、水面やボトムに追い詰めた瞬間がバイトを誘発するからでしょう。

 

余談ですが、落ちていくものを追尾する魚は、それがボトムに着底してしまうと興味を失うものが多いようです。特にブリは底に落ちてしまったものは決して食べません。飼付漁というマキエでエリアにブリを留める漁法では、集めた青物が食べ残したマキエが底に落ちないように撒く量を調整することが最重要テクニックだそうです。海底にマキエが溜まると、腐って磯焼けという現象が起こり、逆にエリアに魚が集まらなくなります。名人になるほど調整が上手く、どれだけ大規模に魚を集めても海底にマキエを落とさないそうな。

 

話が横道に逸れましたが、それだけボトム着底の瞬間は大事であり、タイラバやタイジグで「巻き始めで食った!!」というケースは殆どが、実は着底の直前に食っているのを気づかずに、ラインの弛みを巻き取った瞬間に魚の重みを感じただけなのかもしれません。

なので、タイラバやタイジグの必須テクニックとして、着底した瞬間に素早くラインの弛みを巻き取って通常のリーリングに入る必要があります。そうしない場合は着底して数秒はルアーがボトムに放置されてしまい、追尾してきたマダイも餌ではないと思って興味を失う可能性があるのです。

さてタイジギングですが、東北から火がついたこのスタイルは小魚ベイトの状況には滅法強く、今では九州でも認知されています。使用するルアー以外にタイラバと違う点は、タイラバは巻き重視だからベイトタックルが一般的なのに対して、タイジグはフリーフォールを重視するためにスピニングタックルが一般的です。またタイラバが追尾してガツガツと前アタリが出てから食い込むまでアワセないのに対して、タイジギングはコッとアタリが出たらバシッと即アワセしなければいけません。

そして、タイラバが良いときはタイジグは駄目、タイラバが悪いときはタイジグがよくアタるなど、この2つのスタイルは表裏一体だったりします。最近は二刀流で切り替えながら探るスタイルも多くなってきました。

 

と、ここまで長々と考察してきましたが、あくまで基本的な理屈を述べてみました。他にも日本海などで人気のスーパーディープタイラバとか、瀬戸内で顕著な食い込みが極端に弱いスーパーセンシティブパターンなど、ちょっと普通のタイラバタックルでは厳しいケースもあったりします。タイラバもどんどん可能性が広がりつつあり、あまりにレアケースだと弊社のシーウォークでもカバーできないケースもあるのですが、それもまたマダイの面白いところです!!

では、次からはロッド選びのアドバイス編です!!

マダイ用ロッドの選び方

さて、ここからはザックリとヤマガブランクスのマダイ用ロッドの選び方について解説していきます。では、ヤマガブランクスのオフショアのマダイロッドはどういった感じでラインナップが構成されているかを解説します。

 

タイラバロッド

まずタイラバに関しては基本的には全て80cmオーバーを想定してパワーと強度は持たせています。パワー表記であるUL・L・MLはリフトスピードの違いと考えてもらった方がよいでしょう。またタイラバでは巻き感度は非常に重要な要素となり、強い潮流や船の流され方でラインが斜めになりすぎる場合などはロッドのベリー部が柔らかいと感度を維持する曲がりを常時超えてしまいますので、感度は落ちます。

なので、シーウォーク・タイラバモデルでは基本モデルが65ULとなり、流れや水深を加味して巻きの負荷が高い状況になれば61L、60MLの方が感度を維持しながらレスポンスの良いタイラバゲームを楽しめます。

また、現在は水深100mほどのディープエリアに案内する遊漁船も増えてきており、潮流場での完全ドテラ流しなどの特殊な状況でも120g以上のタイラバをメインで使用することが当たり前になっています。シーウォーク・タイラバではそのような高負荷なタイラバ用としてグリップジョイント2ピースの68L・68MLがあります。この2機種もティップは入るのですが、ベリーの腰が強くなっていますので深場や潮流場の高負荷な巻きでも感度は落ちず、巻きも軽く感じます。(下の写真は68MLです。深場用のロッドですので、バットはガツンと残る調子になっています)


ただし、高負荷なタイラバに対応する68MLを使用して、通常の40~60mで潮流もほどほどのフィールドだと、強すぎて逆に感度が失われてしまいます。他のロッドでもそのように感じたらルアーウェイトを上げるなどして負荷を上げてやってもいいですが、潮には馴染みにくくなるのが難点ですね。

このように、タイラバロッドが真価を発揮するのは、ロッドの調子とタイラバのウェイトとフィールドの巻き負荷がマッチしている場合になります。リフトスピードが上がるので大物狙いでは強めのロッドを、というのも一面ではありだと思いますが、それよりも食い込みの良さや巻き感度などの、「食わせるための要素」をフィールドとマッチさせた方が現実的です。

タイジギングロッド

ヤマガブランクスのタイジギングモデル「シーウォーク・タイジギング」モデルは全4機種ですが、より個性的で明確な特性を持った機種ラインナップになっています。小さいアタリで電撃アワセ、巻き取り時もただ巻きだけでなく小さくアクションを入れたり、かつフリーフォールも重要な要素なので、タイラバに比べると巻きの感度は求めません。(機種性能は高いのですが、釣法として感度にこだわりすぎなくても良いという比較の話です)

タイジギングロッドもまた全機種において80cmアップの大物を獲れるパワーと強度を持たせており、L・ML・Mというパワークラスはジグのアクションを入れる場合のレスポンスの違いだと考えても良いでしょう。もちろんランディングまでの速さは強いほうが良いですが、4機種ともに懐の深い曲がりでラインにも負荷を掛けにくいように設計されておりますので、どの機種でも大きくは外さないと思います。

タイジギングにおいての基本モデルは75MLで、様々なフィールドで最も汎用性能が高いでしょう。75Lは水深50m以下でPE0.4にも対応するモデルで、食い渋りやシャロー対策用モデルになり、面白いロッドですが最も人を選ぶモデルと言えます。しかし、この特殊な調子は、通常のジギングでジグを殆ど動かさないタチウオパターンなどにもマッチし、こだわりのジギンガーであれば使う場面も増えるはずです。

611MLも標準的なタイジグロッドで、75MLより少し速い潮流にも対応しやすいモデルです。75MLは初めてのマダイジギングでも馴染みやすいモデルで、611MLは経験者向きのモデルと言えます。個人的には75MLの異様に深い懐を活かしたファイトは最高に面白いですが、水深が60mを超えると611MLの方がレスポンスは良い感じです。

そして63Mですが、こちらは潮流場や深場に特化したモデルになり、ジャンル的には通常のジギングロッドに近くなってきます。シリーズ中では最も強く張りのあるブランクですが、即アワセに対応できる反発力、大物の走りをワンピース構造を活かし全体で曲がって受け止めて浮かせる設計が楽しいですね。ターゲットをマダイだけにこだわらない人には強くオススメします。

ライトジギング

シーウォークシリーズにはタングステン系のジグをメインに想定した「シーウォーク・ライトジギング」モデルがあります。タイジギングとの一番の違いは全体にシャープな掛け調子の設定という点です。スピニングとベイトを用意し、ライトラインで狙える魚種は何でも狙っていけるラインナップになっています。

もちろん、マダイも対象魚種に入っておりますので、タイラバ・タイジギングにも活用できます。マダイ専用のロッドが全体に載せ調子でルアーアクションも控えめに想定しているのに対して、掛け調子でスイミング、ワンピッチからハイピッチまで幅広くジグアクションを想定したのが「シーウォーク・ライトジギング」モデルとなります。また全モデルがグリップジョイントの1&ハーフ使用なので仕舞寸法が短いのも嬉しいところです。

タイラバに使用するとしたらB66L・B66MLとなり、掛け調子で深場・潮流場では専用モデルと比べても遜色なく使用できます。

タイジギングで使用するならば67UL・64L・64MLと全て使用できます。専用モデルと比べると張りはあります。また、ライトジギングモデルに関してはキャスト性能も重視していますので、キャスラバやシャローエリアで飛距離を稼ぎながら広範囲を探りたい人にもシーウォーク・ライトジギングモデルがオススメです。

マダイジギング専用ならば「シーウォーク・タイジギング」で、ライトジギング全般ならば「シーウォーク・ライトジギング」をお選びください。

とは言え、使用するジグはライトジギングもタイジギングも大きくは変わらないので、好みの問題でもあります。

では、最後に全機種のマダイゲームの特性比較を推奨水深とルアーウェイトを含めて紹介します。記事作成者の主観も入っていますが、参考にしてみてください。

 

まとめ

かなり長くなりましたが、春のマダイ特集はいかがだったでしょうか? 個人的な見解では、これからのマダイのオフショアゲームはタイラバを基本としながら、ジグ用をサブタックルとして持っていく二刀流がメインスタイルになっていくと思います。

よりシステマチックにタイラバとジグを使い分けることで、状況へアジャストできる選択肢は飛躍的に広がります。メーカーとして単純に売りたいという欲求もありますが、それを抜きにしても、まだまだ進化していくジャンルですので、マダイだけを突き詰めるも良し、マダイ&他魚種マスターになるも良し、スタイルという固定概念に囚われない複数の選択肢を楽しんで欲しいですね!! (だって、何も反応が無いマダイ釣りほどキツイものはないですから…)

 

では、次回のシーズン特集をお楽しみに!!