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【2025 新製品解説】Lupus Area 61STT – さらに深くエリアトラウトの世界へ

ヤマガ・エリアトラウトロッドの歴史

ソルトロッドが主流のヤマガブランクスがエリアトラウト用ロッドを発売してから数ヶ月が経過しました。エリアトラウトシリーズ「ルーパス・エリア」はまだまだ認知度が高くありませんが、それでもエリアトラウトアングラーの皆様から予想以上の反響をいただき、ロッドメーカーとして身が引き締まる思いです。

今回は2025年1月末に発売予定の「ルーパス61STT」をご紹介しますが、その前に、発売に至った経緯と「ルーパス・エリア」の歴史を少しお話させてください。

「ルーパス・エリア」は2024年秋に発売された新シリーズですが、実際には10年以上前からヤマガブランクスではエリアトラウト用ロッドの開発に着手していました。

ヤマガブランクスの本拠地である九州はエリアトラウトが盛んな地域ではなかったため、東北在住のフィールドスタッフに協力をお願いし、ファーストサンプルを作成したことが今では懐かしく思い出されます。その頃はアジングブームの到来や、その他のソルトロッドの開発に注力していたため、エリアトラウトロッドの開発は一時的に頓挫していました。

しかし、数年前から各地のフィッシングショーでお話しするエリアトラウトアングラーの皆様からの熱い声や熱気を感じ、ブルーカレントシリーズなどで蓄積したロッド開発のノウハウを必ず活かせると考え、開発を再開しました。

そして、2024年秋に発売されたのが「ルーパス・エリア」シリーズです。

リトリーブタイプ(巻き重視)が3機種、モーションタイプ(アクション重視)が2機種、全5機種がラインナップしました。ルーパス・エリアはブルーカレントシリーズで培った設計力や工場の技術力をベースに、各機種にエリアトラウトゲームに最適化した設計を施し、エリアで求められるさまざまなシーンに特化したロッドを仕上げました。

ルーパス・エリアは、トーナメントに出場される方にもご使用いただけるクオリティを目指しつつ、エリアトラウト初心者の方にもストレスなく楽しんでいただけるロッドを目指しています。また、コスメをシンプルにすることでコストパフォーマンスを重視し、国内自社工場で生産しながらも、比較的手に取りやすい価格帯に設定しました。

これらの5機種で全国のポンドでエリアトラウトを楽しんでいただけると考えていましたが、発売後、アングラーの皆様から「こんなロッドが欲しい」「もっとこんな釣りがしたい」と予想以上のご意見をいただくこととなりました。

 

タイプ:「スペシャルタスク」

 

2024年に発売した「リトリーブタイプ」と「モーションタイプ」の計5機種は、1本1本テーパーデザインが異なり、アングラーのスタイルに合った1本を見つけられるよう、全てのロッドに特性を持たせていますが、エリアトラウトにおいてはいわば王道のモデルです。

ロッド選びに迷わないように、2つのタイプに分類していますが、巻き物全般からボトム系ルアーのデジ巻きまで対応できる万能な61RMがあったり、リトリーブタイプの511RFでも、アングラーのスタイルによっては喰わせのアクションを加えることができたりと、対応力も持たせています。

しかし、2025年に追加されるタイプ:「スペシャルタスク」は、”特別任務”という名前が示す通り、他の2タイプとは性質が大きく異なります。

既存の「リトリーブタイプ」と「モーションタイプ」は汎用性をある程度持たせていますが、「スペシャルタスク」は特化型に仕上げ、追加される新機種「61STT」は王道とは異なるコンセプトで開発されました。

 

「Lupus 61STT」- 大型トラウトに照準を絞った状況特化型モデル

 

近年、北日本エリアのポンドでは数釣りだけでなく、イトウや大型のニジマスなど、モンスタークラスのトラウトを放流する管理釣り場も増えています。そのようなトロフィーサイズの魚に対して、ミノーを巧みに操りサイトで狙って釣るというコンセプトを掲げて、61STTは開発されました。

熊本にある自社工場と東北エリアのフィールドスタッフと密に連携を取りながら、開発は驚くほど順調に進みました。これには、61STTというロッドの構想が以前から存在したというのも大きな要素ですが、自社工場を持つヤマガブランクスだからこそできるスピード感だと思います。熊本から東北エリアまでは翌々日にはロッドを届けられますので、月曜日にもらったブランクの修正案からテストサンプルを再度作成し、週末にはまた使用してもらえるように仕上げて発送する、というトライ&エラーを繰り返して開発を進めました。

そして、完成した61STTですが、「ST」はスペシャルタスクを意味し、「T」はトロフィーを示しています。このモデルは、賢くスレたポンドの主を狙うための特化型ロッドに仕上げました。

61STTの特徴をまとめると…

•引き抵抗の大きなミノーでも軽快に扱える操作性
•太軸フック使用時でもしっかり貫通させ、フッキングに持ち込めるパワー
•トロフィーサイズのトラウトとのファイトでもしっかりと曲がり、走りを受け止めるバットパワー

61STTはヘビーシンキングミノーやリップの長いロングビルミノーの使用を想定し、引き抵抗の大きいミノーに狙った通りのアクションを加えることができるよう、ベリー部には適度な張りを持たせています。また、この張りとパワーを持たせたバットで、太軸フックでもしっかり貫通させ、トルクのある走りを見せる魚にも安心して対処できます。

ルーパス・エリアシリーズ全体に共通する特徴として、幅広いラインセッティングに対応すべく、径の大きいガイドを使用しています。特に61STTは、太いラインを使用する場合でもノット抜けが良好で、飛距離にも影響しません。

トロフィーサイズの魚を狙うための性能をつぎ込んだ61STTですが、ただ魚を釣るだけでなく、狙った魚を掛けるまでのプロセスも楽しんでいただきたいと考えています。数をたくさん釣ったり、トーナメントで良い成績を残すのもエリアトラウトの楽しみ方ですが、堂々と泳ぐポンドの主を「狙って釣る」この楽しみをぜひ体感してみてください。それが「Lupus 61STT」に与えられた特別任務です。


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