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【開発者インタビュー】Bllisick710ML-MH 開発記
皆さま先日公開したこちらの動画は見ていただけましたでしょうか?
2025年に発売したバリスティックシリーズですが、その中でも異彩を放つモデルがこの「バリスティック 710ML-MH」です。
ショアのシーバスロッドで7ft台のショートレングスかつ、「ML(ミディアムライト)-MH(ミディアムヘビー)」という変則的なパワークラスのロッド。
初めてお披露目したフィッシングショーや発売当初は、飛距離を心配される方や、使い方やハマるシチュエーションについてなど、たくさんご質問いただきました。
また、その年の試投会では一番多く試投されたロッドでもあります。
そんな“他にない”性能を秘めたこのロッドがどのようにして誕生したのか、開発の裏側をヤマガブランクスフィールドスタッフであり、テスターの郡司氏にインタビューしてきました!
今回はバリスティック 710ML-MHの開発経緯やその魅力について、改めて深堀ってみたいと思います。
郡司氏のロッド開発は、「ユーザーの皆様がいかに使いやすいか、どんなロッドを求めているか」を第一に構想をまとめていくそうです。
しかし710ML-MHは、テスター歴約16年、200本以上のロッドをテストしてきて初めて、自分が本当に使いたい1本として「わがまま」を詰め込んだロッドだそう。
身近なフィールドで、よく見かけるターゲットでも、思わず真似したくなるような釣り方を提案してくれる郡司氏のわがままが詰まったロッド。
この時点で面白そう。
今回のインタビューでは、その並々ならぬこだわりと、1本のロッドが完成するまでの過程につい興味深いお話を聞けましたので皆さまへ共有させていただきます。
バリスティックユーザーの方にはもちろん、ロッドがどのようにテスト、開発されているのか気になる方も楽しんでいただける内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
「ブルーカレントで出来ることを“バリスティック”でやりたいんです。」
最初にこの開発コンセプトを聞いたときはどういうことかわかりませんでしたが、完成したロッドスペックを見ると納得できます。
Lure: 2~40g Line: PE 0.6~1.5
「今回目指したのは、単なるショートレングスモデルではありません。」
この言葉通り、このロッドのルアーキャパシティは一線を画しています。
2gのルアーでも、ブランクを曲げてキャストできる繊細さを持ちながら、40gをフルキャストで振り切れるパワーを共存させる。メバル用プラグから、14cmのミノーの操作性も抜群。
そして、レングスは7ft台でありながら「9ftクラスに匹敵する飛距離」を求めたそうです。(設計者の困り顔が目に浮かびます…)
●2gのルアーを操作するための推奨タックル
さすがに4000番+PE1.5の組み合わせでは、ロッド関係なく2gの操作感はぼやけてしまいます。
ベストな組み合わせは2500番、もしくはC3000番にPE0.6+リーダー8lbか10lb。リーダーの結束部の“余り”は1~2mmにカット。できればスナップも小さめで。
5g以下のルアー(40mm~90mm)を操作するときには、これがベストな組み合わせだそうです。
と尋ねると、非常にシンプルな答えを返してくれました。
「どんなフィールドでも、通年これ一本で遊び尽くしたいからです。」
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春: シビアなマイクロベイトパターン
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秋: ランカー狙いの大型ベイトパターン
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冬: バチ抜け時のシンキングペンシル攻略
秋の大型ベイトについた個体を狙う場合は4000番にPE1.5を使用。14cm以上の大型プラグでランカーシーバスを狙いにいく。
そして、冬や春のバチ抜けやマイクロベイトパターン攻略の際には、小型プラグを使用。リールは2500番にPE0.6。足元がテトラ絡みなどの場合は少し太めのリーダーを組む。
このように710ML-MHは、タックルバランスを調整することで様々な使い方ができるそうです。
シーズンごと異なるシチュエーションを、ロッドを持ち替えることなく高次元で成立させ、さらに大場所から小場所まで使える遠投性と操作性。
初めて聞いたときは実現できるのか?と思ってしまうほど“わがまま”が詰まった、他にない夢のようなコンセプトの一本です。
開発は順調だったのかと思いきや、実は大きな壁にもぶつかっていたそうです。
「ほんとは7ft 9inch(79)でいきたかったんですよ。でも、いざ形にしてみるとあまりにもピーキーすぎた。自分が使いたいロッドとはいえ、これは少し我慢が必要でした(笑)」
そこで郡司氏がくだした決断が、1インチ伸ばした「7ft 10inch(710)」への変更です。
この“たった1インチ”でロッド全体がマイルドになり、軽量ルアーの扱いやすさが向上、よりたくさんの人にマッチするロッドに仕上げたそうです。
1インチ=25.4ミリ
このわずかな変化でもロッドの調子はがらりと変わるそう。
長年培ったテスターと設計者の経験値を思い知らされると同時に、どこまでもアングラーファーストな姿勢がヤマガブランクスらしさを創り上げているのだと感じた瞬間でした。
【川幅は1mくらいで、流れがある超小場所でのテストエピソード】
そこで掛けた80cm近い大型シーバスに対してフルドラグ状態でファイトしても、#12のフックが伸びなかったとのこと。
ロッドが柔らかくて繊細なだけ、あるいはただ強いだけ。これだけでは、実際の釣りにおいて必ずラインやフックに限界がきてしまいます。
例えば、極端に柔らかいロッドでも、逆にガチガチに硬いロッドでも、大物とのファイト中に竿が限界まで曲がりきってしまうことがあります。その状態で魚に強く走られてしまうと、竿のクッションが効かないため、ラインやフックにすべての負荷が直接掛かってしまうのです。
いわば「曲がりの余白」。このゆとりがなくなってしまった瞬間、ロッドは衝撃を吸収する役割(仕事)をしなくなります。
これはバリスティック 710ML-MHだけに限った話ではありません。ヤマガブランクスが掲げる「曲げて獲る」という言葉の本質は、「常にロッドが仕事をし続けるための絶妙な粘りと余白」を追求することにあるのです。
ただバリスティック 710ML-MHは特にこの要素が色濃く反映されています。実釣の際は下記を意識して使ってみてください!
●ドラグは締めて使ってみてください
710ML-MHの特性である“高反発なブランク”
魚を掛けてロッドを立て、ブランクを曲げる。その状態で耐えているとロッドの復元力で起き上がる。急な突込みには素直に曲がり込む。
竿がオートマチックにショートポンピングをしているような状態を想像するとイメージしやすいかもしれません。
この特性を最大限に活かすためには、しっかりとロッドを曲げ切る必要があるため、ドラグを締め気味に設定して負荷を掛けることが前提となります。
また、魚がエラ洗いを狙う挙動を見せた際には、ロッドを寝かせて追従させるだけで、一切の主導権を渡さない盤石なファイトを展開できます。
●有効レングス
710ML-MHのバット部分には、MH(ミディアムヘビー)クラスの強いパワーを持たせています。
しかし、単なる硬いだけのロッドではない。
ティップからベリーにかけての「有効レングス」を長く取ることで、急な魚の突っ込みに対して素直に曲がり込む設計になっていそうです。
この「有効レングス」とは、簡単に言うとリールシートからティップまでの長さ。キャストやファイトなど釣行において仕事をする箇所のことを指します。(グリップエンドが仕事をしないというわけではございません。)
実際710ML-MHはグリップエンドが短めです。
これは、710というショートレングスであるのにツッパリ感をなくすため、尖りすぎないため。という開発の意図を感じさせられるポイントでした。
バリスティック 710ML-MH決して万人に向けた優等生ではないかもしれません。
しかし、テスターの熱量と「わがまま」が詰まったこの「バリスティック 710ML-MH」は、一度ハマれば抜け出せない圧倒的なポテンシャルを秘めています。
気になった方は、ぜひフィールドで体感してみてください!







