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【2024 新製品解説】「ブルースナイパー」の進化に迫る

「ブルースナイパーの歴史と実績」

2024年春に新発売となる、ショア青物シリーズ『ブルースナイパー』をご紹介します。

まず、ブルースナイパーの歴史を紐解いていくと、初代ブルースナイパーの発売は2009年まで遡ります。ヤマガブランクスの設立が2008年ですので、設立当初よりヤマガブランクスを支え続け、多くのユーザー様にご支持をいただいている、私たちにとっても思い入れ深いシリーズとなっています。

初代のモデルでは、45kgのヒラマサや大型のGTをキャッチいただいたり、前作でも20kg近いヒラマサの釣果を複数頂いており、長年に渡り実績と信頼も兼ね備えてきたシリーズと言えます。

そんなブルースナイパーシリーズが、いよいよ6年ぶりにフルリニューアルします。

リニューアルまでに前モデルから6年という長い期間を要したのは、過酷なショア青物ゲームにおいて、ロッドの基本性能に大きな向上が無ければリリースする意味が無いと考えたからです。

ショア青物ゲームといえば、そう簡単に釣果を得ることは難しく、魚がヒットしたとしても強引なファイトを強いられたり、フィールドの足場が悪かったりと、ロッドに必要以上の負荷が掛かることが多い釣りです。

「過酷なショア青物ゲームにおいて、必要な性能とは何か?」

新生ブルースナイパーシリーズには、メイドインジャパンのブランクメーカーとして、どこまでカーボンブランクの可能性を突き詰めることが出来るかを求め、この問いに向き合っています。

「新しいブルースナイパーに求めたもの」

リニューアルしたブルースナイパーシリーズでは、まず「投げやすく」「扱いやすい」という基本性能の向上を求め、開発がスタートしました。

「投げやすく」「扱いやすい」言えば簡単に聞こえますが、ロッドの基幹といえる素材や設計、調子、バランスなど、様々な要素が詰まっています。これには積み重ねてきた設計技術が必要であり、その上でさらなる進化を求め、設計やコンセプト、素材を全て見直しながら開発を行いました。

カーボン素材と言えば前作でも採用したナノアロイテクノロジーをはじめとする、様々な素材がありますが、素材がロッド性能の全てを決めるほど竿作りは単純ではありません。

新生ブルースナイパーシリーズにも最新の素材を使用していますが、その素材の性能を活かすも殺すも工場の持つ設計力や技術力が大きく影響します。

ブルースナイパーの開発は一筋縄ではいかず、高反発カーボン素材を扱う上で、少しの設計の差で硬くなりすぎたりと極端な調子になることもあり、テスターとブランクの微調整を繰り返しながら、少しずつ理想ともいえるロッドに近づいてきました。

いわば、最高の馬力と瞬発力を持ったレース用のエンジンを、スムーズに乗りこなすことを目的としたスポーツカーに積むような作業であり、テスターと設計は大変な思いをしていましたが、出来上がってくるサンプルを触るとワクワク感が止まりませんでした。

そして完成したモデルは、圧倒的な【キャスト性能】を持ちながら、扱いやすさも備え、次世代を実感させる仕上がりでした。このキャスト性能はただ遠投出来るという意味でなく、インパクトの入れやすさ、リリースポイントの広さ、一日中振り続けられる軽快さ、全てを総合した意味での性能です。

特にショア青物ゲームは限られた時合いと回遊を待ちながら、ひたすらにルアーを投げ続ける、竿を振り続ける事が、絶対条件となる釣りにおいて、このキャスト性能の進化は新生ブルースナイパーの大きな武器になると確信を持って言えます。

「反発力」を向上させつつ、扱いやすさも向上したブランクは、キャスト・アクション・ファイト・ランディングまで多くのアドバンテージをアングラーに与えます。この「反発力の制御」こそが新生ブルースナイパーシリーズの真髄だとも感じています。

「反発力」がもたらすブランク性能の向上

硬いロッドには、パワーがある、遠投性能が高いと感じる方もいらっしゃると思います。初代ブルースナイパーはそんな硬さのあるロッドでした。

硬さあるロッドは体力に自信があるアングラーや通い慣れたアングラーには良いのかもしれません。ですが、硬いロッドはアングラーの筋力や体力が重要になり、強くてもファイト時のテンションが抜けやすく、魚が暴れ過ぎてフックアウトの危険が高くなります。それでは一部のアングラーにしか支持を得ることはできないでしょう。

タックルの進化でライトな青物ゲームの人気が特に高くなっている現在のショア青物シーンでは、当然としてマッチしません。

そこで新生ブルースナイパーでは、素材・設計の見直しと自社工場の持つ技術力により、強さ・投げやすさをブランクの「硬さではなく、反発力の向上」で表現しました。

“反発力を向上させる”と文章では簡単に書いていますが、この進化には自社工場の技術力がなければ困難なことでした。

「ロッドの硬さや柔らかさではない、ロッドの反発力とは何か?」

なかなか文章では伝わりにくいですが、いわば「ロッドが曲がってから水平に戻ろうとする力とスピード」だと考えます。


※キャスト時にも”反発力”がルアーを押し出して、アングラーの助けになります。

反発力は硬さではないので、負荷が掛かればブランクは綺麗に曲がります。

例えば、キャスト時に軽い力でブランクを曲げてキャストできるので、100%の力を込めてキャストしないと曲げ込めないロッドを80%の力でロッド全体を使ってキャストできます。さらに飛距離はロッドが戻る力を利用しているので、いままでの100%以上の飛距離が出ます。このような特性がアングラーを助け、投げ続ける、ロッドを振り続けるといったことに繋がってきます。

また、ロッドを曲げ込みやすいということは、軽いルアーでもしっかりブランクに重みを乗せて反発力を利用したキャストができますので、飛距離も十分確保できます。そして、ファイト時にはこの戻る力が、テンション抜けを防いでプレッシャーを掛け続けることが可能です。


※キャスト後の「ブレの少なさ」も新生ブルースナイパーで向上した点の一つです。

この反発力がもたらす強さは、キャスト・ファイト・ルアー操作など、実釣における全ての面で必要になり、アングラーを助けてくれる特性と言えます。

「曲げて獲る」

ヤマガブランクスの原点とも言えるこの言葉は、ヤマガブランクスの全てのロッドに言えることで、「竿は曲がってこそ力を出すもの、振り抜いてこそ飛ぶもの」という思想の上に作られています。これはアジ・メバルを狙うブルーカレントシリーズから100kgを超えるマグロ類を視野に入れるブルースナイパーボートシリーズまで全てのロッドに言えることです。

曲がらない硬い竿が悪いというわけではありません。

ですが、私たちは、ロッドの「曲がる」という性能を非常に重要な要素だと考え、過酷なショア青物ゲームでは特に必要な性能だと考えています。

竿を曲げて投げる、曲げてルアーを動かす、曲げてファイトする。この曲がりをルアーや魚に合わせてパワーや反発力の種類を設定することで、アングラーをサポートするルアーロッドが生まれる。新生ブルースナイパーでは、「曲がる」という性能の本質を体感していただけるシリーズに仕上がりました。

「機種別紹介」

それでは簡単に各機種をご紹介します。

ブルースナイパーシリーズは、全5機種構成で、オールラウンドタイプがパワー別に3機種、ダイビングペンシルに特化したプラグタイプが2機種となっています。このラインナップも新しいブルースナイパーではこだわったポイントであり、全ての機種が幅広いルアータイプやウェイトに対応しているからこそのシンプルな構成です。

「タイプ:オールラウンダー」

オールラウンダータイプの3機種は、基本的にプラグ・メタルジグを問わずに扱えるブランク設計になっています。3機種ともに汎用性の高いモデルとなっており、開発コンセプトとしてはフィールドに持って行く本数を減らし、より眼の前の状況に合わせた戦略に瞬時に対応できるモデルを目指しました。

103ML-M / オールラウンダー

近海のメインロッドとして、小型の青物からブリ10kg程度までを想定したモデルで、小型ルアーにしか反応しない状況にも対応可能なフィネス性能も持ちつつ、強靭なバットパワーを持たせ、汎用性も高めています。
■Lure: Plug 20~50g / Jig Max 80g
■Line: MAX PE 3

100M-MH / オールラウンダー

前モデル100MHの近海から離島までというコンセプトを継承しつつ、ティップを繊細にすることでスムーズなキャスト性能とルアー操作性を向上すべく再設計したモデルで、シリーズの柱となる一本です。
■Lure: Plug 30~80g / Jig Max 120g
■Line: MAX PE 4

96H / オールラウンダー・エクストリーム

ジグ専用モデルではなく、汎用性能とハイレスポンス性能に特化したモデルを目指して開発しました。ショートレングスを活かした振り抜け良い小さなモーションで遠投が可能で、荒磯やバックスペースの無い磯でもポテンシャルを十分に発揮できるスペシャルモデルとして新次元のHクラスロッドが完成しました。
■Lure: Jig Max 150g / Plug 60~120g
■Line: MAX PE 6

「タイプ:プラグ」

プラグタイプは2機種を用意し、前ラインナップでは無かったロングレングスの109MHを新たに追加。プラグモデルの特性は、水絡みの良いアクション性能が必要となるダイビングペンシルの操作をオートマティックにおこなえるティップの柔軟さと、体積の大きいプラグの軽快な遠投性能にあります。

PL109MH / プラグ

今やメインストリームとなったショア青物のプラッギングモデルとしてMHとHクラスは必須であり、前ラインナップでは無かったロングレングスのMHクラスプラッギングモデルを追加。求めたのは何と言っても遠投性能であり、スムーズなアクション性能の両立で、より繊細に食わせのプラッギングモデルに仕上げました。
■Lure: Plug 30~80g / Jig Comfort ~80g
■Line: MAX PE 4

PL106H / プラグ

前ラインナップからのレングスとパワー表記が同じモデルだが、それだけに確実なキャスト性能の向上を必須性能として開発が進んだモデル。大型トッププラグの使用頻度が高まっている現状のシーンに対応すべく、大型プラグの軽快なキャストフィールを実現させています。
■Lure: Plug 50~120g / Jig Comfort ~100g
■Line: MAX PE 6

「アングラーのスキルを最大限発揮してもらうために」

ここ数年で急速な発展と進化を見せたショア青物ゲームにおいて、〔パワーがある〕〔遠投性能が高い〕といった要素はもはや当たり前の性能です。

ですが、タックルが進化したからといって釣果が格段に良くなったかというと、そう甘くないのが、ショア青物の現実です。

夢のサイズは一生に一度ヒットするかしないか、今日は良かった!!と帰路につくのは、フィールドに数十回通って数回あれば良い方だと思います。

ですが、そんな夢のある、そして過酷なショア青物ゲームに通い続けるアングラーのスキルを最大限発揮して、少しでも可能性を広げるために手助けできるロッドを・・・

新生ブルースナイパーシリーズにはそんな思いも詰め込んでいます。

この新生ブルースナイパーは、是非手に取って曲げて欲しいシリーズになっています。
来年1月のフィッシングショーを皮切りに各地の店舗開催イベントにも足を運んでいただき、進化した性能を体感してみてください。


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