REPORT
【三重県】 ロックフィッシュ EARLY 86MH
兵庫県にお住いのとっしー南西 様より釣果ご報告を頂きましたので
ご紹介致します。
【釣行レポート】 EARLY86MHでハタ両雄の良型@三重県尾鷲市
2021年10月にEARLY86MHを購入。
先日の新年初釣行にて、自身初のアカハタ・オオモンハタの大型を釣り上げることができましたのでレポートします。
まずはその前に、数あるロックフィッシュロッド、いや数あるルアーロッドの中から、なぜヤマガブランクスのEARLY86MHを選んだのか?
その理由から話を始めたい。
<EARLY86MHを選んだ理由>
メインフィールドは尾鷲の地磯。
その中心となる今回の磯は、リアス式海岸の入江に位置し、フルキャストで水深30m、足元で10m。
岩盤やゴロタに加え砂地、藻場も点在し、生命の営み豊か。
アカハタ・オオモンハタはもちろん様々な回遊魚、フラットフィッシュ、アオリイカなど年間を通じて多くの魚種が狙える好フィールドだ。
ただしメインとする立ち位置は狭く、また樹木がオーバーハングしているため、バックスペースが有限である。
そこで下記要点を満たすルアーロッドを探した。
(1)レングス :立ち位置が狭いため9ft以下、しかしランディング時に手前の根をかわすため8.3ft以上は欲しい。
(2)パワー :良型ハタだけでなく、中型回遊魚もターゲットとなるため一定のパワーが必要。しかし張りが強すぎると軽量リグの操作感や、そもそも楽しさに欠けるためMH程度。
(使用ルアーは下限が7gリグ(シンカーで5g)、上限が40gのメタルジグや30gのプラグ)
(3)グリップ :パワーファイトできるよう一定のグリップ長があるもの
要約すると、8.6ft程度のMHで一定のグリップ長があるロッドである。
これを市中で探した。
私としては、それほど特殊なニーズとは思わないのだが、これがどうしてなかなか、ぴったりの商品が見つからない。
長さとパワーはよくてもグリップが短い、長さとグリップはよくても張りが強すぎるなど、何かが欠けてしまうのである。
これはもはやトレードオフの関係で、3要素を全て満たすロッドはないのだろうかと、あきらめかけていた時、EARLY86MHを見つけた。
すぐにヤマガブランクスに電話したところ、ロッド特性についてとても丁寧にご説明いただいた。
これぞ探していたロッドだと、ロックフィッシュシーズンも終盤となった2021年秋に何とか店頭在庫を発見し、購入したのである。
<期待通りだった点>
2021年10月に購入した後、この数か月、使い込んだ。
まずは期待通りだった点について述べたい。
端的にいうと前情報通りだった。
・汎用性の高さ(7gリグ~40gのメタルジグまで非常に快適に使用可能。ストライクゾーンがとても広い)
・高感度(水深10mでも7gリグの着底感良好、もちろん巻モノで潮流変化も手元に伝わる)
・操作感の良さ(テキサスリグやジグヘッドなどの各種リグのボトム操作はもちろんのこと、メタルジグのジャークやワインドも快適)
・ファイトを楽しめる(20~30cm程度のサイズでも楽しめる。「曲げて獲る」のコンセプト通り。)
<期待以上だった点>
このロッドには良い意味で何度も驚かされた。期待以上だった点、予想もしていなかった点について触れたい。
・糸抜けが抜群(4000番リールを使用しているが糸抜け抜群で気持ちいい。ガイドサイズとセッティングが秀逸。飛距離アップ。)
・操作感が軽い(ガイド抜けの良さもあって、かなり大き目のガイドがついているにも関わらず操作感は軽く、また感度良好。なぜ??)
・良型が不思議と浮いてくる(大型ハタがかかるとバットまでフルベントして不安になる。しかし曲げた状態でパワーファイトしていると、不思議と魚が浮いてくる。詳細後述。)
・抜きあげ(後述するが、オオモンハタ50cm(2kg程度)を抜きあげることができた。抜きあげ方向(ロッド角度)には注意のこと。)
<釣行レポート>
さぁ、ようやく釣行レポートである。
結論として新年初釣行にてアカハタ45cm、オオモンハタ50cmを釣り上げることができた。
(概況)
・2022年1月上旬
・三重県尾鷲市の地磯
・小潮(月齢6.4)
・水温17.5℃
・気温(最高14℃、最低2℃)
・風速2~3m
まずは午前の部。
EARLY86MHはこれ一本あれば、トップ、ジグ、バイブやミノー、ワームと守備範囲が広く、高次元に対応できる。
トップ~ジグまで一通り試すもハマチが一匹。
次にシャッドやクロー系のリグを投入するもガシラ(カサゴ)のみ。
尾鷲とはいえ水温は17℃台。
さすがにこの低水温ではハタ類も簡単には口を使ってこない。
ここで足元に小型ベイトを視認。
そこでワームサイズを5インチから4インチ弱に落とし、かつリアクション狙いでワインドを試したところ、小~中型のアカハタがポツポツと釣れ出した。
やはりこの時期はワインドが好反応だな、と根が荒い方向へも打ち込んでいく。
ここは水深こそ10~30mあるもののリアス式海岸の内湾のため、地形要因の潮流こそあれど海は穏やかだ。
しかし根が荒く、また藻も点在するため、重いリグは根掛かりするので、ボトムをとれるギリギリである7gのジグヘッドを使用。
このEARLY86MHは一定のパワーとレングスを持ちながらも、5g~10gの軽量リグも非常に繊細かつ快適に扱える不思議なロッドである。
ロックフィッシュロッドにしてはややソフトで繊細なティップに、程よく張りがあるベリーで、ワインド操作も快適かつ楽しい。
テンポよくワインドさせながら、リアクション狙いで荒根を探っていく。
小~中型をポツポツと釣ってはリリースしていたところ、干潮前の潮止まりのタイミング、底から跳ね上げたところにドスンときた。
ヒット直後から大型を確信。
締めていたはずのドラグから時折、ジリっジリっとラインがだされる。
ボトムでかけているため、少しでも緩めるとすぐに根に擦られる。
ロッドはバットまでフルベント状態だ。
無理にロッドを立てずに、バットでしっかりと負荷をかけながら、ハンドルをまく。
すると不思議だ。
ロッドのしなりを客観的にみると、明らかに“負けている”ように見えるのだが、ロッドを曲げ切った状態でグイグイとハンドルを巻くことができる。
「曲げきり」ながらも、不思議と魚が浮いてくるのだ。
ボトムでかけたにも関わらず結局、一度も根にすられることなく珠玉の紅魚が水面に浮いた。
アカハタ45cm、自身の最大魚であった。
-午後の部。
午前の興奮も覚めぬまま、ポイント移動。
午前に良型アカハタが釣れたので、もう午後はボウズでもいい。だから新たなポイントを開拓する。
汗だくになって山を歩く、磯を歩く。
好調な時にこそ、実績場にこだわらず、新たなポイントに挑戦なのだ。
次のポイントもリアス式海岸の内湾だが、ここは水深30m~浅場0mが隣接するポイント。
その浅場では、潮位によっては沈み根が顔をだす。
まずは20~30gのメタルジグで地形を探ったところ、決して根は荒くないが、それなりに起伏はあるようだ。
ジグをしゃくっていると、中層で何かがヒット。
寄せてくる。エソだ。
「(エソか、いいじゃないか。)」
砂地ベース、小魚がいるサインである。
回収のためジグを水面で走らせていると、ベイトがぴちゃっと逃げるのが見えた。
「(オオモンハタを狙えるのでは?)」
すぐにブレードジグに付け替える。
初ポイントのため飛距離重視だ。
フルキャストすると、細ラインが美しい放物線を描きながら、気持ちよくジグが飛んでいく。
EARLY86MHはとにかく糸抜けが抜群で、気持ちがいい。明らかに飛距離が伸びた。
ボトムをとって20回巻いて、テンションフォールを5カウントし、フォールでもブレードでアピールさせた後に、またフリーフォールで一気に沈める。
これを繰り返していると、中層まで巻き上げる途中でゴンっときた。
またエソかな?と思って、楽しみながらファイトをはじめたが、急に根に向かって走り出した。
午前中に増して締めていたはずのドラグから、ジリっとラインがだされた。
良型を確信した刹那、根にリーダーが擦れる嫌な感触。
しかし掛け場所および立ち位置を考えると、パワーファイトするしかない。
午前のアカハタ同様にロッドはフルベント。
根の嫌な感触の中、ロッド角度をたてて、根からの引き剥がしを試みる。
ジリジリとした攻防が続いたが、“ヌルリ”と根を超えた感触。
ついにリーダーの擦れがなくなった。
ぎゅっとハンドルを握り込む、力をこめる。
「(浮け、浮け)」
EARLY86MHは何とも不思議なロッドだ。
一見、“ノサれてしまった”ように思えるこのフルベント状態から、ジリジリとした粘りを見せるのである。
それはブランクメーカーのプライドであり意地のようにも思える、そのようなしぶとい粘りなのだ。
一瞬、水中に白い魚体が見えた、良型のオオモンハタだ。
「勝負あった」そう思うにはまだ早すぎる。
立ち位置的に、ランディングの難易度が高いのだ。
迷いはバラシにつながる。
寄せる前に意思決定し、足元に浮かせた時点で速やかに行動にうつらなければいけない。
このオオモンハタはどれくらいだろう、40cm強?さすがに2kgはないだろう。
こんなこともあろうかとロッド購入後に、自宅庭でペットボトルを重しに、抜きあげテストをおこなっていた。
2Lペットボトルまでの抜きあげを確認していた。
「こいつは抜きあげる」
そう決めた。
寄せて、フックの掛かりを確認。
よし、問題ない。
抜きあげのコツは、魚の重みをしっかりとバットに乗せることだ。
膝をついてロッドティップを最大限に海面に近付け、ラインをまきとり、魚との距離をつめる。
ここで慌ててはダメだ。
波の動きに注意しつつ、フロントグリップに右手をそえてロッドを慎重かつ大胆に側方へ持ち上げていく。
ティップからベリー、ベリーからバットへと、しなやかに負荷移行させながらロッド全体でオオモンハタの重みを優しく受けとめ、磯の上面に抜きあげた。
でかい。
明らかに45cmは超えている。2kg程度あるだろう。
ロックフィッシュをはじめて、はや1年。自身初のオオモンハタ50cmオーバーとなった。
以上。
ANGLER
とっしー南西
TACKLE DATE
ROD:EARLY86MH(ERY-86MH)
REEL:SW4000HG
LINE:ボーンラッシュ1号(YGK)
LEADER:フロロ25lb
LURE:
アカハタ
・スワールテールシャッド(インクスレーベル)
・ジュラクロー(インクスレーベル))
オオモンハタ
・ブレードジグ30g
ハマチ
・ソルティーレッドペッパー(ティムコ)