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シーズン特集「リバーシーバスゲーム × Ballistick810ML RC NANO Bait」
5月のシーズン特集「アフターシーバス×Ballistickシリーズ」では春のアフターシーバスに焦点を当てて、Ballistickスピニングシリーズとの相性を考察し、皆様へご紹介させて頂きました。
今回のシーズン特集はアフター期を超えて、河川深く侵入したシーバスを中流~上流域で狙っていくというリバーシーバスゲームに焦点を当てて解説させていただきます。
ピックアップするモデルは、「流れ」を攻略するためにデザインされたスペシャライズド・ベイトモデル、「Ballistick810ML RC NANO」です。
●エキサイティングなリバーゲーム!!
ご存知の通り、シーバスは基本的に海から河川の汽水域をシーズナルに移動する魚でありますが、特定の河川では汽水域を超えて完全淡水域にも生息するようになります。これは時期限定であり、大体は鮎の遡上に合わせて河川を意識しだし、それに合わせてシーバスも共に河川を遡上し、河川下流域から中流域、果ては淡水域にまでシーバスの生息域は広がります。
シーバス自体は春から秋まで河川の全域で釣れるのですが、前述のように一部の個体グループは鮎に付いて河川淡水域まで侵入し、淡水域に居着いてしまいます。こういったシーバスを狙うゲームは非常にエキサイティングです。
なぜなら干満による潮位の変化をあまり受けないエリアなために、地形と流れに付いた個体が多くなり、河口域のシーバスゲームに多い待ちの釣りではなく、デイゲームで積極的にピンポイントを撃つ攻めの釣りになるからです。完全にサイトフィッシングで、流れの絡む岩やオーバーハングしたブッシュの下などを狙い撃ってシーバスを引っ張り出すゲームは最高です!!
そして、梅雨時は鮎を始めとした様々な魚が河川に溢れる頃であり、そのタイミングで起こる増水は河川に明確な流芯とベイトの溜まるスポットを生み出し、そこにはシーバスも集まります。いわゆる増水パターンというものです。
増水パターンは河川全体で起こるものですが、河口に比べて水量の少ない中流~上流域では適度な増水はベイトやシーバスの大きな動きを促し、活性も高くなるために6~7月はリバーシーバスの最盛期と言えるでしょう。
とは言え、河口に比べると河川中~上流域のシーバスのストック量は極端に少ないのも事実で、確実な狙いが要求されるテクニカルな面も大きく、そこがまた面白さを倍増させます。
※余談ですが、潮の影響を受ける河川のエリアを感潮域と言います。単純に言えば汽水域と同義なのですが、海水は比重が大きく満潮時には淡水の下に潜り込むために、パット見た目で感潮域の境目というのは判別しにくいものです。
大きな堰(潮止め堰)があればそこが境目ですが、今回のテーマであるリバーシーバスが居るような河川は境目は曖昧だったりすることが多く、水位は全く変化しないポイントでも前後のベイトの動きは干満に影響されるので、感潮域の境目に近いエリアではやはり干満のタイミングは重要です。
●Ballistick810ML RC NANO開発コンセプト
このBallistick810ML RC NANOは「River Custom(RC)」と名付けられている通り、河川での使用を念頭に置き、ブランクを練り上げたシーバス用ベイトロッドです。
主に河川の中流域から上流域の流れの中に潜むシーバスに対して、地形と流れを読みながらピンポイントで「食わせる」ことに特化した性能をコンセプトに開発が進められました。
開発に当たり、特にこだわった点は2つ。
①流れの中で水面を弾かず、しっかりとルアーをトレースする為の適度なブランクの弾性。
②「投げやすさ」を徹底的に追求したキャスティング性能。
この2点に関しては開発の段階からテスト&エラーを繰り返し、徹底的に煮詰めたファクターです。
それではまず①について。「流れ」を攻略する為の、リバー専用ロッドを開発しようとなったきっかけは、河川の上流・中流域に潜む美しい魚体を、アングラーの描いたシナリオ通りに流れの中から引き出すという、リバーシーバスの醍醐味を味わって頂きたいという思いでした。
河川に居着いたシーバスの尾ビレは適応して大きくなり、ファイトも力強く格別な魅力があります。
開発はスタートし、そのプロトモデルには「リバーカスタム」というサブネームが与えられ、プロジェクトは進んでいきました。
流れを攻略するには、アングラーの意図したポイントに着水させ、流れにルアーを噛ませ、狙い通りの角度で居るべきポイントに確実に通すことが必要になってきます。
そして強い流れの中でもルアーが水面から飛び出さずに、かつ流れの中でのバイトも弾かずに乗せる事が出来る適度な柔軟性を持たせたティップが必要です。
この流れの中という高負荷な中で食わせた魚は、当然ながら流れの抵抗を利用します。ロッドには高い負荷が掛かりますので、流れの中に走られてもしっかりと追従してフック伸びを軽減するベリーセクションも必要です。
そして何と言ってもランカークラスをもしっかりと抑え込むバットパワーを持たなければ、変化の激しい河川中流域では通用しません。
「リバーカスタム」として世に送り込むには、これらの要素を絶妙なバランスでブランク性能へシンクロさせる事が必要でした。
特にティップとベリーのバランスが「流れ」を攻略するにあたり、非常に重要な役割を果たしますが、その調整は特に入念に行われました。
様々な川で、色々な流れを多種多様なルアーを使用してシーバスを狙い、そして掛ける。テスト&エラーを繰り返し、その絶妙なバランスをブランクに詰め込みました。
そして②の「投げやすさ」について特に念頭においたのは、まずはベイトロッドとしての心地良いキャストフィール。単純にベイトタックルでのキャストをトラブルフリーで楽しんでもらいたい、というのが最優先項目でした。
ルアーフィッシングにおいて、キャスティングはアングラーにとって間違いなく最も多く繰り返される動作です。そのキャスティングがアングラーにとって快適でトラブルのないものとなれば、ヒットまでの時間がたとえ長くなったとしても、またはたとえノーフィッシュで終わってしまったとしても、その日の「釣り」自体は非常に有意義なものとなるのではないかと思います。
そして次に「川」というスペースやポジションが制限されるフィールドでのレスポンスの良さが重要となります。自由に立ち位置を変える事が出来ず、バックスペースが十分に取れないようなポイントが多いリバーゲームでは、コンパクトなフォームで飛距離が要求されたり、背後の障害物を避けるため身体の前で回すようにキャストする必要性もシチュエーションによっては出てきます。
810ML RCは、ただの遠投する投げやすさだけでなく、そういったテクニカルなキャストもやりやすいことは絶対条件でした。
大きく流れを探りながら、小さく地形変化を刻み、オーバーハング下のシェードなどのピンポイントを狙い撃つ。この一連の狙いをシームレスにこなせるロッドこそが、810ML RCに求めたものであり、私達が考えるリバーゲームの楽しさにも繋がります。
では、なぜベイトモデルなのかと言えば、こういったピンを刻むゲームにはルアーの立ち上がりの速さとキャスト精度が求められ、ベイトタックルの利点が存分に発揮されるからです。
また、巻きの感度とリーリングスピードの微調整のやりやすさもベイトタックルの大きな利点であり、流れの攻略には必須となる要素です。
●810ML RCで広がるシーバスの世界
では何故810というレングスなのかといえば、リバーシーバスを突き詰めていけば必ず小場所を攻略しなければいけない状況があり、そういった時にも取り回しの良いギリギリのレングスが810と結論づけた訳です。
川という身近でバリエーションに富んだフィールドで、様々なテクニックを駆使して微調整を行いながら、思い描いたとおりに狙ったシーバスのバイトを誘う。こんなエキサイティングな釣りが、皆様の周りにも意外と近くにあるかもしれません。
淡水エリアで無くとも、堰(釣り禁止の場合もあるので注意)や旧橋脚跡、支流の合流点、小規模河川など、地形と流れが絡むポイントでは、ピンに付いたシーバスが潜む可能性は高いです。
「こんな狭い川に?」
「ここってもはや用水路でしょ?」
そんな思いもよらない場所に、シーバスは入ってきます。
近年ではシーバスゲームはより遠投しての遠距離ゲームとしてのイメージが強くなってきていますが、本来は身近なフィールドの様々な場所に居る魚であったからこそ人気が高まったわけです。
河口堰のように完全に遮断してしまえばその上流にシーバスが居る可能性は低いですが、水量がある程度あり魚止めの堰や地形が無い限りは、この時期、中~上流域の流れに絡んだピンポイントにシーバスが潜んでいる可能性は高いです。
キモはベイト付きではなく、地形付きのシーバスを狙うという点です。もちろん、厳密に言えば地形付きもベイトを求めて潜んでいるわけですので、実際にはそこら中に地形に付いたシーバスはいると考えていいと思います。実際、自分より小さな石にピッタリと隠れるように寄り添うシーバスもよく見ます。
ただ、ベイトの群れに付いていないシーバスは基本的に食わせるのが難しく、トレースコースに対してもシビアです。
それが、「流れ」というベイトを運んでくるシチュエーションと絡んだ地形付きシーバスになると、ルアーに反応させやすくなるのです。理由としては狙いとトレースコースを絞りやすくなる点と、リアクションバイトを誘発させやすいからだと推測されます。(絶好のバイトスポットとなるために活性の高い、優勢な個体が入っきやすいという点もあるかもしれません)
そして、流れに絡んだシーバスゲームはキャスト精度とトレースコースが命であり、流れに対してのアングラーの立ち位置こそが重要になります。810ML RCのキャストしやすさも、どんな立ち位置からでもピンポイントに撃ち込める、流れを斬れるトレースコースを取れるといったコンセプトを重視するからです。
実際、ほんの少しの立ち位置をずらすだけでシーバスの反応は全く変わります。数回投げて駄目でも、少し歩いて違う角度で通したら一発で食ってきた!! なんてことはザラです。というか、それこそがリバーゲームだとも言えます。
そのために、ルアーチョイスも重要です。流れに弾かれずに泳ぐもの、流れを横に斬れるようなトレースコースをとりやすいものなど、様々な要素から選んでみてください。
デイゲームで、しかも近い距離感でシーバスが釣れる。
しかも自分自身が描いたシナリオ通りにルアーをひったくる様子の一部始終を目の当たりにできるとなれば、ワクワクしないアングラーはいないのではないでしょうか?
Ballistick810ML RC NANO Baitはそんなワクワクを、より多くのアングラーの方々に味わって頂きたいという思いの下、開発されたモデルです。
今回はこのシーズン特集ブログと併せて、梅雨時期のデイゲーム実釣2日間の様子をYoutube動画でご用意しております。
一日目
一日目
二日目
是非皆様も今回のシーズン特集&動画をご覧頂き、1人でも多くの方が少しでもリバーゲームに興味を持って頂ければ非常に嬉しい限りです。
皆様の想像力で810ML RCの更なるポテンシャルを引き出して下さい!